おすすめファンドもご紹介!投資信託VSヘッジファンド
投資のプロに運用をお任せできるという共通点をもつ、ヘッジファンドと投資信託。
本記事では両者の違いを知らない、又はどちらに投資すべきか迷っているという方に向けて、ヘッジファンドと投資信託の違い、メリットデメリット、おすすめの投資先までまるっと解説いたします!
- リスクヘッジに長けていて高利回りが期待できるのはヘッジファンド
- 少額から手軽に投資できるのは投資信託
- ヘッジファンド型投資信託もおすすめ
ではさっそく、投資信託とヘッジファンドはどういった点が違うのか比較してみましょう。
目次
投資信託とヘッジファンドの違いを比較
既出の通り、ヘッジファンドと投資信託は、投資家から集めたお金を投資のプロである”ファンドマネージャー”が私たち投資家の代わりに運用をしてくれる金融商品です。
詳細な説明の前に、まずは以下の表で両者の大まかな違いを把握してみましょう。
※表は横にスクロールします。
ヘッジファンド | 投資信託 | |
1.出資の募集と対象 | 私募(50人未満の投資家あるいは 省令で定められた適格機関投資家) |
公募(不特定多数の投資家) |
2.運用方針 | 絶対利益追求型で、相場環境に 関わらずリターンを追求する |
投資信託ごとの運用方針に 基づき決定される |
3.投資戦略 | ・ロング・ショート ・アービトラージ ・イベントドリブン ・マルチストラテジー等 |
・インデックス運用(指数連動) ・アクティブ運用(指数を相対的に超える目標) |
4.投資コスト | ・管理手数料(保有期間中) ・成功報酬(運用成果が出た時) |
・購入手数料 ・信託報酬(保有期間中) ・信託財産留保額(解約時) |
5.換金可能な時期 | 3ヶ月、半年、1年に1度など 期間が限定されている |
休場日を除くほぼすべての日 |
6.最低投資額 | 1000万円~数億円 | 少額(100円~1万円程度) |
出資の募集方法と対象者の違い
ヘッジファンドと投資信託の一つ目の違いは、限られた少数の投資家から出資を受ける私募か、それとも不特定多数の多くの投資家から出資を受ける公募かという点です。
私募の形態をとるヘッジファンドの場合は、少ない投資者からまとまった金額を集めなけれならないため、投資家一人当たりの最低投資額は1000万円~と比較的高くなるのが特徴です。
運用方針と投資戦略の違い
ヘッジファンドの場合、少額から投資可能な投資信託と比べると最初の投資ハードルは高くなりますが、一方で私募ゆえのメリットもあるんです。
投資信託の場合は多くの投資家から出資を募ることが出来る反面、投資手法への規制が厳しく相場に合わせた柔軟で迅速な対応が取りにくい面があります。
一方のヘッジファンドは、ロング・ショートやアービトラージ等の投資信託よりも多種多様な手法を駆使できるため、相場に合わせた柔軟な戦略が取れるうえ、下落局面でも積極的に利益を狙うことが可能です。
ヘッジファンドの「ヘッジ」とは「回避」を意味する言葉です。何を「ヘッジ(回避)」しようとするかというと、「市場リスク(市場価格が変動することによって生じるリスク)」です。具体的には、市場全体が下落する局面では空売りなど相場下落によって収益が得られる取引を駆使することで、下落局面でもプラスの収益を目指します(ただしプラスの収益が実現する保証はありません)。
(引用:SBI証券)
このような背景から、投資信託では「相対収益」、ヘッジファンドでは「絶対収益」を目標とした運用がなされています。
相対収益‥市場のベンチマークとなる指数を超えることを目標とする。
絶対収益‥ベンチマークの成績に関わらず、どんな市場環境でも利益を追求する。
投資にかかるコスト(手数料体系)の違い
投資信託の場合は通常以下の3つの手数料が設定されています。
- 購入時にかかる購入手数料
- 保有期間中にかかる信託報酬
- 解約時にかかる信託財産留保額
またヘッジファンドの場合は、以下の2つの手数料を設定している場合が多いです。
- 保有期間中にかかる管理手数料
- 運用で利益が出た場合にかかる成功報酬
両者の大きな違いは、固定で発生する手数料を主な収入源としているか、それとも成功報酬制を主な収入源としているかという点。
見かけの手数料率はヘッジファンドの方が断然高いパーセンテージが設定されていますが、だからと言って投資信託が無条件でお得かというとそうとは限りません。
成功報酬の場合は運用でプラスが出た場合のみ発生するため、どちらで運用すればより資産を効率的に増やせるのかは、各ファンドの過去の運用成績と手数料率から実際に手元に残る利益を計算し判断する必要があります。
流動性の違い
ヘッジファンドの場合、出資後の一定期間は解約が出来ない「ロックアップ期間」なるものが設定されています。
ヘッジファンドのロックアップ期間の長さはファンドによって様々ですが、3か月~半年または1年に設定している場合が多いです。
一人当たりの出資額が大きくなるヘッジファンドでは、急な解約が重なると運用している資産や投資先を都度調整する必要があり、効果的な運用の妨げになってしまうためこのような解約ルールが設定されています。
またロックアップ期間を過ぎてからも、四半期に1度など解約するタイミングが限られているため、ほぼいつでも解約可能な投資信託と比べると資産の流動性は低いと言えますね。
投資信託のメリットとデメリット
債券型、株式型、不動産型など様々な種類の投資信託が販売されており、自分にあった商品が見つけやすいのが投資信託の良いところです。中にはNISAやiDecoなどの少額投資非課税制度を利用できる投資信託もあります。
また最近は100円から投資できる投資信託もネット証券を中心に販売されており、まだまとまった資産がない方や、手軽に投資を始めたい方にぴったりと言えるでしょう。
- 少額から投資可能
- 商品説明資料や目論見書から投資銘柄が参照可能
- 商品数が多く自分にあったものが見つかりやすい
一方、手軽に投資できるのは良いものの、コスト対パフォーマンスが伴っていないことも少なくないので、商品選びは慎重にしたいところ。
また運用規制が厳しいため、相場が下落傾向にあるときは利益を出しづらい点も留意しておきましょう。
- 相場全体のパフォーマンスに左右される
- 運用成績に関わらず手数料がかかる
- 規制が厳しく運用側は自由な運用ができない
ヘッジファンドのメリットとデメリット
ヘッジファンドに投資する一番のメリットは、やはり運用利回りの高さでしょう。
多様な投資手法を駆使できることで利益獲得の機会が多くなるだけでなく、投資信託が一斉に下落してしまうような下落局面でも、可能な限りのリスク回避策を打つことが出来ます。
ヘッジファンドのマネージャーは国内外の金融機関で業務経験を積んだプロフェッショナルが多く、また成功報酬制を採用しているファンドが殆どなので自然とファンドマネージャーのモチベーションも高くなるでしょう。
- 運用の自由度が高く様々な投資戦略が採れる
- ハイパフォーマンスを目指せる
- 運用成果が出なければまとまった手数料がかからない
一方でヘッジファンドは最低投資額が高く、1000万円以上などのまとまった資産を投資に回せる方が前提となります。
また投資信託のような情報公開の義務が無いため、何に投資しているのか不透明になりがちな点でも投資ハードルは高く感じるでしょう。
そして、ほとんどのヘッジファンドではロックアップ期間が設定されているため、近い将来必要となる資金での投資は避けたほうがベターでしょう。
- 最低投資額が高い
- ファンドの中身がわかりづらい
- ロックアップ期間が定められている
ヘッジファンドと投資信託、結局どちらが良いの?
ヘッジファンドと投資信託どちらがあなたの資産の運用に適しているかは、各個人の経済事情や投資目標(方針)、リスク許容度等が異なるため一概には言えません。
ただ筆者の個人の考え方としては、どちらの利点も活用したいという気持ちから、まとまった額の運用はヘッジファンド、1000万以下の資金もしくは流動性を担保したい資金は投資信託と組み合わせて利用するのがおすすめです。
十分な資金があるならヘッジファンド
やはりヘッジファンドには、投資信託に難しい”ハイパフォーマンスを目指せる”といった魅力があります。
特に預貯金や国債などの安全資産では運用効果が薄いことから、金融機関もどんどんヘッジファンド(私募)での運用にシフトチェンジしています。
国債や社債で安全運用するというのが金融機関の一般的な方式でしたが、日銀のマイナス金利政策などから収益が見込めなくなってしまったため、私募投信を運用するファンドの需要が高まっているということですね。
国を上げて私募投信での投資に舵を切っているわけですから、私達も資金さえあれば乗らない手はないでしょう。
国内ヘッジファンド例:BMキャピタル
筆者もヘッジファンド投資を始めてから4年以上が経ちますが、投資をする前は情報も無く、ヘッジファンド選びにはかなり苦労しました。
そこで、まとまった投資資金をお持ちの方でヘッジファンド投資を検討したいという方に、参考までにおすすめのヘッジファンドをご紹介します。

2013年に設立され現在運用9年目を迎える国内ヘッジファンドBMキャピタル。
国内の中小型株での運用を得意とし、運用開始以来一度もマイナスな迎えた年はなく、平均年利回りは約10%~20%と、安定性と高い収益性を兼ね備えた人気のヘッジファンドに成長しています。
- 東京大学卒業後、有名投資銀行バークレイズで経験を積んだファンドマネージャーが豊富な経験・スキルを駆使して運用。
- 値動きが穏やか、かつ株価高騰の可能性を秘めるバリュー株を投資対象としている。
- 企業価値・株価上昇を目指しアクティビストとして投資先企業に働きかける場合もある。
- 投資初心者の目線に合わせたサービスを提供
同社が評価されているのは、もちろん安定したリターンを実現している点もありますが、まとまった資産を預ける投資家から信頼を集める大きな理由はBMキャピタルの下落局面での耐性の強さではないかと思います。
一例を挙げると、コロナショックで半分近くの投資信託がマイナスリターンとなった2020年(参照:日本経済新聞)。BMキャピタルは保有株式の一部現金化やショートで下落相場を利用し利益を狙うなど、相場変動に機敏に対応し、最終的に2020年もプラスでフィニッシュさせました。
それだけでなく、2015年のチャイナショックや2018年の株価大暴落時も、持ち前の下落相場への強さを発揮して無傷で乗り越えてきた点は純粋に評価できます。
通常ヘッジファンドは詳細な情報収集が難しく、かつ問い合わせや面談も既存の投資者の紹介がないと受け入れてもらえないが多いが難点ですが、BMキャピタルでは公式サイトからだれでも無料で資料請求や問い合わせが出来るのも有難いです。
過去の運用実績や投資手法など詳しい情報が知りたいという方は、気軽にお問合せしてみるとよいでしょう。(※コロナの影響を受けて希望者にはオンラインでの面談も可能になったそうです。)
少額投資なら投資信託
一方でまとまった資金での運用に抵抗があるという方も少なくないと思います。そういった場合は投資信託から運用を始めてみましょう。
最近は購入手数料のかからないノーロードファンドが続々と販売され、管理にかかる信託報酬率も低下傾向にあります。

また「少額でヘッジファンドに投資したい」という方は、ヘッジファンドの投資戦略をもって運用している投資信託の検討もおすすめです。
これらの投資信託は特殊型投資信託に分類され、投資者に対して注意を喚起することが必要な特殊な仕組み・運用手法を用いるものとされています。
通常の投資信託ではあまり使用されることのない先物取引・オプション取引・スワップ取引等のデリバティブ商品が適宜活用されるため、運用の効率化を図ることが期待できます。
先物取引…将来売買する商品の売買条件をあらかじめ決めておく取引のこと
オプション取引…将来商品を売買する権利をあらかじめ購入する取引のこと
スワップ取引…金利や通貨などをあらかじめ約束した条件で交換する取引のこと
デリバティブ商品…金融派生商品とも呼ぶ。上記の3つがデリバティブ商品の代表的な取引
少々複雑な投資方法が用いられますが、これらを使用することでリスクを抑えつつ下げ相場にも強い運用が可能となります。
ヘッジファンド型投資信託の例
ここではヘッジファンド型投資信託の例を3つピックアップしてみました。
1.スパークス・日本株・L&S(スパークス・アセット・マネジメント)
投資信託の格付け評価をしているモーニングスター社のレーティングでも、この5年の成績で最高級の5つ星を獲得したこちらの投資信託。
純資産総額 | 約5.8億円 |
---|---|
購入手数料 | 3.3% |
信託報酬 | 1.98% |
成功報酬 | 一定の基準を上回った場合、差額の22% |
トータルリターン | 6.58%(3年・年率) |
リスク度合い | やや低い(モーニングスターより) |
※2021年9月29日時点
L&Sというファンド名にもあるように、将来の成長が見込まれる日本の株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)するという2つのポジションを組み合わせる手法を用いています。
スパークスはあまり馴染みのない運用会社かもしれませんが、界隈では日本株の運用に長けた運用会社として有名で、圧倒的なリサーチ力が強みです。
目標とするベンチマークは設けておらず、2018年と2020年に相場で少々値下がりしましたがその後回復してきています。
ロングショートを使用した投資信託の中では代表格と言えるでしょう。
2.ロボット戦略 世界分散ファンド (T&Dアセットマネジメント)
愛称は「資産の番人」。コンピュータ(AI)を活用した投資判断を基本としたトレンドフォロー戦略が用いられている特殊型投資信託です。
純資産総額 | 約126億円 |
---|---|
購入手数料 | 3.3% |
信託報酬 | 2.212% |
成功報酬 | 一定の基準を上回った場合、差額の15% |
トータルリターン | 4.27%(3年・年率) |
リスク度合い | やや低い(モーニングスターより) |
※2021年9月29日時点
こちらも2018年、2020年で相場で値下がりを見せましたが、その後回復・成長してきています。
用いる戦略は、トレンド(流れ)と同方向にそって取引していくトレンドフォロー戦略。
株価指数、債券、金利などの先物取引を主とした幅広い資産を投資対象とし、為替先渡取引を活用して為替のリスクを最小限に抑えることも同時に目指します。
さらに運用はコンピュータによる投資判断を基本とし、迅速な投資が可能となっています。
人の目だけでは見きれない部分もコンピュータを活用して効率的に運用することができるので、スピード感を重要視する方におすすめでしょう。
3.AR国内バリュー株式ファンド (アセットマネジメントOne)
サムライバリューの愛称を持つこちらの投資信託は、時価総額の小さい銘柄かつ割安に放置された日本株を中心に運用しています。
さらに株価指数先物取引を組み合わせて、株式の実質組入比率を機動的にコントロール。通常の投資信託ではできない投資戦略で絶対収益の獲得を目指します。
純資産総額 | 約38億円 |
---|---|
購入手数料 | 3.3% |
信託報酬 | 1.353% |
成功報酬 | なし |
トータルリターン | -3.48%(3年・年率) / 1.43%(5年・年率) |
リスク度合い | やや低い(モーニングスターより) |
※2021年9月29日時点
ここ3年のトータルリターンはマイナスになっていますが、これからの盛り返しに期待したいところです。
特殊型投資信託となると、通常の投資信託よりも管理や運用に手間がかかるため、信託報酬は高くなりがちです。
しかしアセットマネジメントOneが運用するこちらの投資信託は、信託報酬も他の特殊型投資信託に比べて低く抑えられており、中小企業の株を効率的に運用していきたいという方におすすめでしょう。
まとめ
今回は投資信託とヘッジファンドを比較し、その違いについてご紹介しました。
似た性質をもつ2つの商品ですが、運用方針や投資手法やファンドの規模などにおいて、投資信託とヘッジファンドには大きな違いがあることがおわかりいただけたかと思います。
他にも色々なヘッジファンドを見てみたい方は、投資初心者でも比較的チャレンジしやすい国内ヘッジファンドをランキング形式でご紹介した記事があります。参考にしてみてください。

この度投資初心者が、1000万円クラスのまとまったお金を運用する前に絶対に押さえておきたいポイントを外部の先生のお力も借り1記事にギュッとまとめました!
- これからまとまった元本で投資を始めたい方
- 手元の資産の運用法で迷っている初心者の方
投資額の大小に関わらず、役に立つこと間違いなしの記事ですので是非皆様の資産運用の勉強にご活用下さい!