資産運用を始めたいと思っても、500万円で足りるのか不安に感じる方も多いのはないでしょうか。
一般的に、投資は資金が多いほど有利と言われています。
実際、1,000万円を2,000万円にするのと、500万円を2,000万円にするのとでは難易度が全く違いますが、500万円スタートでも効率的に資産運用をする方法はあるので十分な金額といえるでしょう。
この記事では、500万円で資産運用するために必要な知識やおすすめの投資先、具体的な運用シミュレーションまで詳しくまとめています。
500万円の元手でどのように運用すれば良いか悩んでいた方は、ぜひ最後までご覧ください。
500万円の運用で知っておきたいことや投資知識
最初に、500万円で資産運用するために知っておくと役立つ投資知識から見ていきましょう。。
これらのポイントをあらかじめ理解していれば、500万円で達成できる目標設定や運用効率を上げる工夫もスムーズに実践できますよ。
そもそも資産運用は500万円で十分なのか
まず大前提として、資産運用を始めるにあたって500万円でも足りるのか、という疑問を解消しておきましょう。
結論からいうと、500万円あれば資産運用で毎月2~3万円ほどの利益を出していくことは十分に可能です。
「どれくらいの金額を目指すのが良いのか」「複利・積立の重要性を理解する」の見出しでシミュレーションしているように、少し工夫すれば500万円から資産運用を始めて20年後に2,000万円にすることも不可能ではありません。
ただし、資産運用とは言い換えれば投資であり、元本割れになったり資金全てを失ってしまうリスクもあります。
そのため、「預貯金はどれくらいキープしておけばよいのか」で解説しているように、あくまでも余剰資金で行うことが大切です。
どれくらいの金額を目指すのが良いのか
資産運用を始める場合は、目標金額も明確に設定しておくことをおすすめします。
「できるだけ増やしたい」「1億円になればいいな」といった漠然とした目標だと、適切な運用方法や投資先を選びにくくなってしまいます。
目標金額はライフプランやライフステージ、年齢に応じて設計し、実現可能な計画を立てましょう。
具体的な目標金額を決める時は、以下の計算式に当てはめて考えるとわかりやすくなります。
運用資金 × 運用期間 × 利回り = 利益金額
資金500万円で20年間、年利1%で運用していくとしたら、
500万円 × 20 × 0.01 = 100万円
計算結果からわかるように利益は100万円です。
つまり、元金の500万円と合わせて600万円にしかなりません。
しかし、利回りを年利5%で運用できれば、
500万円 × 20 × 0.05 =500万円
20年間で500万円の利益が出るため、元金と合わせて1,000万円になります。
上の例は単利運用での例なので、もし複利運用なら20年間の運用で1,300万円になる計算です。
もし45歳で年収600万円、老後に向けて資産運用で2,000万円ほど用意しておきたい、と考えているなら年利1%ではとても到達できません。
利回りが上がれば達成は近づくものの、投資初心者が年利5%以上は難しいので現実的には20年で1,000万円前後となるでしょう。
ただ、運用資金が今の時点で500万円しかなくても、工夫次第で20年後2,000万円に到達させる方法はあります。
一例として、元手500万円と運用期間20年、年利5%はそのままで毎月3万円を積み立てていくと、20年後には複利運用で2,100万円を超えます。
このように、複利運用+積立を行うと資金が増えるペースが格段に上がるので、目標金額に応じて検討してみましょう。
単利運用・複利運用の違いと積立については、「複利・積立の重要性を理解する」の部分で詳しく解説しているので参考にしてください。
どのくらいリスクを許容できるのか
リスク許容度をあらかじめ理解しておくことも、資産運用を始めるにあたって大切です。
リスク許容度とは、損失をどれくらいまでなら受け入れられるかの度合いを指します。
といっても万人共通の基準があるわけではないため、リスク許容度は自分自身が置かれた状況に応じて考えなければいけません。
例えば家族がいて進学を控えた子どもが2人いるなど、今後資金が必要になるライフイベントを控えているといった場合、リスク許容度は低く(安定度を重視することに)なるでしょう。
しかし、年収が高い場合には資金に余裕ができるので、多少リスクをとった投資にも手を出しやすくなります。
また、リスク許容度にはやはりメンタル面も重要。
運用中に損失が出た時、生活に影響がなくても気持ち的に耐えられなくなるようならリスク許容度は低めです。
無理をしてリスク許容度を高くすると、精神的なストレスから冷静さを失いやすくなるためあまり無理はしない方が良いでしょう。
次の見出し「預貯金はどれくらいキープしておけばよいのか」も参考にしながら、いくらまでならマイナスを許容できるか考えてみてください。
預貯金はどれくらいキープしておけばよいのか
資産運用にあてる500万円とは別に「預貯金をどれくらいキープしておくべきなのか」ということも事前に考えておきましょう。
資産運用にあてる500万円は、必ず余剰資金の範囲内で用意しなければいけません。
投資には元本割れのリスクが伴うことが多いため、もし食費や光熱費などから500万円を捻出していたら、運用に失敗した時に生活が困難になることも。
毎月の生活費を目安に必要な預貯金額を算出すると、より具体的な金額がわかります。
例えば、年収600万円、生活費30万円の方でシミュレーションしてみると以下のようになります。
- 生活費30万円×3ヶ月=90万円
- 生活費30万円×6ヶ月=180万円
- 生活費30万円×12ヶ月=360万円
生活費3ヶ月分だけなら総資産が600万円ほどあれば500万円を余剰資金として使えますが、余裕を持って6ヶ月分の生活費は預貯金で確保しておいた方が良いでしょう。
家族の生活を支えるために長期的な見立てをするなら、向こう5年ほどを考慮して、必要な貯蓄は多め見積もっておくと安定した生活と資産運用を両立できます。
支出が発生するのは生活費だけに限らず、医療費などの突発的な支出、子どもの進学費など、まとまった金額が必要になる場面が多いでしょう。
安定を重視するならば、5年間で使うであろう合計金額を組み込んだ上で見積もりを出しておくのがおすすめですよ。
これまでに説明してきた内容を踏まえると、家庭の状況にもよりますが、運用する資金を総資産の50%以下に抑える意識を持つことが理想的といえるでしょう。
複利・積立の重要性を理解する
500万円の資金を効率良く増やしていくには、複利と積立について理解することも欠かせません。
複利とは、元本の運用で得た利子を運用資金に組み入れていく計算の仕方を指します。
言葉だとわかりづらいですが、500万円の資金を年利5%で単利運用した場合と、複利運用した場合で比較すれば違いは一目瞭然です。
運用方法 | 1年後の利益 | 2年後の利益 | 3年後の利益 | 5年後の利益 | 10年後の利益 |
---|---|---|---|---|---|
単利 | 25万円 | 50万円 | 75万円 | 125万円 | 250万円 |
複利 | 25万円 | 約51万円 | 約78万円 | 約138万円 | 約314万円 |
複利運用だと、同じ500万円からのスタートでも10年後には運用資金が800万円を超えます。
年利5%も運用資金が800万円になれば最初の25万円から40万円へと増加するため、複利運用は利益額を雪だるま式に増やすことができます。
ただ、複利は利益を大きくするまでに長い時間が必要です。短いスパンで利益を上げたい場合は、複利運用とあわせて積立も検討しましょう。
積立とは、一定タイミングで一定の金額を投資額として投入していく投資方法です。
運用資金を500万円からスタートした後も毎月5万円ずつ積み立てていけば、1年後には586万円になります。
積み立てた分の60万円を差し引いても26万円の利益で、5年後には利益が178万円と大幅に増加します。
運用方法 | 1年後の利益 | 2年後の利益 | 3年後の利益 | 5年後の利益 | 10年後の利益 |
---|---|---|---|---|---|
複利のみ | 25万円 | 約51万円 | 約78万円 | 約138万円 | 約314万円 |
複利+積立 | 約26万円 | 約57万円 | 約93万円 | 約178万円 | 約489万円 |
複利運用だけでも資金を増やすには十分効果的ですが、スピード感を求めるなら複利運用+積立の組み合わせがおすすめです。
分散投資でリスクを軽減できる
資産運用を始めるなら、分散投資によるリスク軽減の重要性も確認しておくと良いでしょう。
投資先が少なければ運用資金の管理が楽になり、一度に大きな利益も狙いやすくなります。
しかし一方で、投資した金融商品の価格が暴落すれば多額の損失を抱えることになるため、投資先を1つなど少数に絞り込むことには高いリスクが伴います。
投資リスクを抑えるには、複数の金融商品に少しずつ資産をわける分散投資が効果的です。
例えば500万円の元手を100万円ずつ5つの金融商品に投資すれば、
- 金融商品A:50万円の損失
- 金融商品B:10万円の利益
- 金融商品C:20万円の利益
- 金融商品D:5万円の利益
- 金融商品E:20万円の利益
このようにいずれかの金融商品で大幅な損失が出たとしても、ほかの金融商品で損失分をカバーできます。
「どのくらいリスクを許容できるのか」の見出しで解説したリスク許容度についても考えながら、分散投資の内容を調整しましょう。
500万円のおすすめ運用方法・投資先
それでは、500万円で資産運用を始めるとして具体的にどの投資先を選べば良いのか解説していきます。
特におすすめな投資先、ミドルリスク・ミドルリターン、低リスクなものの3つにまとめたので、ひとつずつ見ていきましょう。
特におすすめの運用方法はヘッジファンド
資産運用の方法として、最もおすすめなのはヘッジファンドです。
あまりなじみがないかもしれませんが、ヘッジファンドはプロに運用を任せられる上に10%ほどの利回りが期待できます。
資産運用の投資先は利回り3~5%であることが多いため、ヘッジファンドなら2倍以上の効率で資金を増やしていける可能性があります。
投資初心者が年利10%を達成するのは至難の業であり、積極的に活用したい投資先といえるでしょう。
ただし、ヘッジファンドは高金利で安定性も期待できる分、最初のハードルが高めです。
ヘッジファンドの最低投資額は海外だと1億円、国内でも500万円が最小単位となっていることが多いのが特徴。
国内老舗で平均利回り10~20%を維持しているヘッジファンド「BMキャピタル」も基本的には最低投資額が1,000万円となっています。
とはいえ、1,000万円未満での投資も受け入れている模様なので、興味のある方は直接問い合わせてみるのがおすすめですよ。
問い合わせ自体は無料で、BMキャピタルの実際の運営資料ももらえるので、情報収集としても非常に有益です。
BMキャピタルについて詳しく知りたい方は下記ページもぜひご参考ください。

リスクを許容できる場合の運用方法
ある程度リスクを許容できるなら、以下に挙げた4つの運用方法があります。
投資初心者で資産運用のやり方がわからない、自信がないという方はまず投資信託から検討すると失敗しにくいでしょう。
FXや仮想通貨は運用方法によっては一攫千金が狙える一方で全資金を失う可能性もあるため、リスク管理には注意が必要です。
専門家に運用を任せられる投資信託
投資信託の最大の特徴は、プロに資産運用を任せられることです。
通常、株式投資でもFXでも投資先は投資家本人が選び、決めなければいけません。
投資では「分散投資でリスクを軽減できる」の見出しで解説したようにリスクヘッジも重要ですが、どうやって分散させるかも投資初心者には難しい部分です。
しかし、投資信託では投資家から集めた資金がひとつにまとめられ、運用の専門家が株式や債券などさまざまな金融商品に分散投資を行います。
つまり、投資先の選定からリスクヘッジまで投資のプロに任せることができるのです。
投資信託の期待利回りはおよそ3~4%で、国内・海外合わせて6,000本以上あるファンドから運用方針などを見て決めていくことになります。
基本的に、海外ファンドや株式投資の投資信託の方がハイリスクハイリターンになることを覚えておきましょう。
なお、注意点として投資信託では運用結果に関わらず固定の手数料が発生します。
そのため、どの投資信託にするか決める際には、手数料を差し引いても利益が残るかどうかを必ず確認することが大切です。
短期でも中期でも取り組める株式投資
投資の知識があれば、プロに任せるのではなく自分で株式投資を行うこともできます。
株式投資は企業の株式を購入し、値上がり後に株式を売却して売買益を狙います。
また、株式を保有し続ければ企業からの還元として配当金が得られるので、売買益とは別に利益を積み重ねることも可能です。
配当利回りは3~5%ほどが多いですが、高配当の銘柄だと日本郵船のように10%を超えることもあります。
売買益も含めれば、10年や20年といった長い時間をかけずに運用資金を大幅に増やすことも十分に現実的でしょう。
デメリットは、投資信託と違って運用を全て自分自身で行わなければならないことです。
投資先の選定から金額、リスクを減らすための分散投資まで、何もかも投資家が決めることになるので運用には多くの手間と時間がかかります。
しかも、安定して利益を出すには相場の読み方をはじめとした投資知識を身につけなければいけません。
株価の乱高下が起これば1日で数十万円の損失を出すこともあるため、全く投資の知識や経験がない状態で始めることは高いリスクが伴います。
投資初心者におすすめの投資信託に対して、株式投資は投資経験者に勧められる運用方法といえます。
不労所得が得たいならローンで不動産投資
長期運用を計画しているなら、ローンを活用した不動産投資も検討する価値があります。
不動産投資というと、1,000万円など高額な初期費用が必要なイメージを持っているかもしれません。
ですが、現金で一括購入するのではなく不動産投資ローンを使う方法なら、500万円の頭金でも3,000万円の物件を使って資産運用を行うことが可能です。
ローンの頭金は一般的に物件価格の1~2割程度ですが、不動産投資を始める際には仲介手数料や不動産所得税といった諸費用も発生します。
そのため、運用資金が500万円なら1,600万円~3,300万円ほどの物件が投資候補となるでしょう。
不動産投資の期待利回りは4~5%ほどで、マンション投資なら家賃収入で毎月不労所得が得られます。
ただ、不動産投資ローンは年収が低いと融資を受けにくく、700万円以上が一定の基準といわれています。
さらに空室になった場合はローン返済を自分で行わなければならず、売ろうと思ってもすぐに売却できない、などのデメリットも存在することは覚えておきましょう。
ハイリスクハイリターンを狙うならFXや仮想通貨も候補に
ハイリスクハイリターンの方法を取るなら、FXや仮想通貨(暗号資産)も候補になります。
株式投資だと、レバレッジは3倍程度までしかかけられません。しかし、海外FXや仮想通貨なら1,000倍のレバレッジで取引できる場合もあり、資金が少なくても多額の取引を行うことが可能です。
運用資金500万円を使ってレバレッジ1,000倍をかけると50億円分の取引ができるので、一発が当たれば資産を一気に億超えさせることもできるかもしれません。
とはいえ、1,000倍ものレバレッジをかけて取引をすれば、負けた時には500万円でもあっという間に溶けてしまいます。
たった数日でも億り人になれるという夢はあるものの、時間をかけて堅実に資金を増やしていく方が達成はしやすいでしょう。
リスクを抑えたい場合の運用方法
元本割れなどのリスクを取りたくないという気持ちが強い場合は、下に挙げたようなほとんどリスクのない運用方法もあります。
ただ先に結論をいうと、これらの運用方法は利回りが悪く、資産構築に向いているとはいえません。
元手の500万円を20年で1,000万円にする、といった目標はまず達成できないと考えてください。
元本保証なら個人向け国債
元本保証を重視するなら、個人向け国債は非常に安定感のある選択肢といえます。
国債とは、国が資金調達のために発行している債券のことです。
1万円から購入でき、一定期間保有し続けて満期がくれば利息がついた状態で元本が戻ってきます。国債の場合、国が破綻しない限りは元本割れするリスクがほとんどありません。
しかし、利回りは最低金利の0.05%で、元手500万円で20年運用したとしても利益はたった5万円です。
債券には国債以外に企業が発行している社債も存在しますが、社債でも平均利回りは0.3%程度に留まります。
加えて、企業が破綻すれば債務不履行(デフォルト)となる可能性もあるため、国債・社債のいずれも特別魅力的な候補とはいえないでしょう。
10年解約しない前提なら生命保険も選択肢に
定期預金や国債とは違ったアプローチとして、10年間解約しない前提なら生命保険も運用方法の候補に入ってきます。
生命保険の中でも資産運用の方法となり得るのが、保障に加えて貯蓄機能を備えた貯蓄型保険です。貯蓄型は毎月の保険料が自動的に積み立てられ、解約時や満期時には解約払戻金や満期保険金として保険料が戻ってきます。
プランによって異なりますが、利回りは一般的に1%以下なので定期預金や国債に比べれば高めの金利です。
ただし、貯蓄型は一般的にかけ捨て型に比べて月々の保険料は高くなる点には注意が必要しなければいけません。
また、満期前に解約すると元本割れしてしまう可能性があり、10年や20年など長いスパンで割高な保険料を支払う前提になる点もネックです。
あくまでも最初から貯蓄型の生命保険に加入を検討していて、無理なく運用できる場合に活用を検討することをおすすめします。
最も身近で手軽な運用方法なら定期預金
もっと身近な方法で資産運用したい、となれば定期預金という方法もあるにはあります。
しかし、定期預金の利益は2022年時点だとほぼ無いに等しい状態です。
日本では1991年の時、定期預金の金利が年5.68%でした。しかし2022年現在、金利は年0.002%にまで下がっています。
500万円を1年間預けた場合、1991年なら28万4,000円になりましたが、2022年では100円にしかならないのです。
年 | 金利 | 利息 |
---|---|---|
1991年 | 年利5.68% | 284,000円 |
2022年 | 年利0.002% | 100円 |
定期預金はリスクこそ低いものの、2022年時点の金利では資産運用の手段としては実用的ではありません。
その他の運用・投資先まとめ
500万円の運用方法として、ほかに挙げられるのは以下の投資先です。
投資先 | 詳細 |
---|---|
外国債券 | 国内債券に比べて利回りが高い。 為替変動などのリスクがある。 |
IPO投資 | 公開前の株式を購入し上場後に売却する。 投資初心者でも利益を出しやすい。 抽選で落ちると投資自体できない。 |
ロボアドバイザー | 資産運用をシステムに任せることができる。 運用に手数料がかかる。 長期的な運用を前提にしている。 |
ソーシャルレンディング | 企業に対して個人投資家が融資を行う。 平均的な利回りが5%以上と高めになっている。 行政処分が多く2年以上の長期運用はリスクが高い。 |
外貨預金 | 定期預金と比べれば高いものの利回りは1%に満たない。 為替変動で元本割れするリスクがある。 税金がかかるため確定申告が必要になる。 |
いずれも突出して優れた投資先とはいえず、リスクを取れるならヘッジファンドや投資信託を選んだ方が安定した運用をしながら多くのリターンが期待できます。
ただ、ロボアドバイザーやソーシャルレンディングなどはまだ歴史が浅く、発展途上段階の業界です。
今後、より効率的な資産運用の手段となる可能性はあるため、動向に注目しておくとよいでしょう。
500万円の資産運用シミュレーション
それでは、500万円スタートで資産運用した時にどれくらい利益が得られるのかシミュレーションしてみましょう。
資産運用によって得られる利益は、下の計算式によって算出できます。
利益 = 運用資金 × 運用期間 × 利回り
単利運用か複利運用かで最終的な金額は大きく異なるものの、運用期間が長く、利回りが高いほど得られる利益額も上がるということです。
そのため、シミュレーションでは運用期間と利回りのバランスに注目してみてください。
利回り・運用年別のシミュレーション表
まずは利回り・運用年数別にシミュレーションしていきます。
表内の数値は500万円スタートで資産運用を行ったときに発生する利益をまとめたものです。
運用年数 / 利回り | 1% | 2% | 3% | 5% | 10% |
---|---|---|---|---|---|
1年 | 5万円 | 10万円 | 15万円 | 25万円 | 50万円 |
2年 | 10万円 | 20.2万円 | 30.4万円 | 51.2万円 | 105万円 |
3年 | 15.1万円 | 30.6万円 | 46.4万円 | 78.8万円 | 165.5万円 |
5年 | 25.5万円 | 52.0万円 | 79.6万円 | 138.1万円 | 305.2万円 |
10年 | 52.3万円 | 109.4万円 | 171.9万円 | 314.4万円 | 796.8万円 |
15年 | 80.4万円 | 172.9万円 | 278.9万円 | 539.4万円 | 1588.6万円 |
20年 | 110.0万円 | 242.9万円 | 403.0万円 | 826.6万円 | 2863.7万円 |
25年 | 141.2万円 | 320.3万円 | 546.8万円 | 1193.1万円 | 4917.3万円 |
30年 | 173.9万円 | 405.6万円 | 713.6万円 | 1660.9万円 | 8224.7万円 |
※ 計算は複利運用を想定して行っています。。
シミュレーション結果を見ると、利回り2%以下では30年運用しても1,000万円に届かないことがわかります。
老後に備えた資産構築などで本格的に資金を増やしたい、と考えているなら利回りは3%以上が望ましいでしょう。
利回り5%なら15年で資金が倍増するので、50歳から資産運用を始めても65歳までに1,000万円に到達できます。
なお、利回り10%で運用できれば資金が増えるペースも格段に上がりますが、高金利になるほどリスクも高くなるため注意しなければいけません。
運用年数と運用結果、難易度のバランスで見ると、利回り5%辺りが最もおすすめといえるでしょう。
1,000万円到達までにかかる年月はどれくらい?
1,000万円を目標として設定すると、利回りごとにどれくらい時間がかかるかもシミュレーションしてみましょう。
500万円を倍の1,000万円にしたい場合は、利回りに応じて計算する方法のほかに「72の法則」でもおおよその期間が簡単にわかります。
「72の法則」は「72÷金利」の計算式で資金が2倍になるまでの期間が算出できるので、
- 1%:72÷1=72年
- 2%:72÷2=36年
- 3%:72÷3=24年
- 5%:72÷5=14.4年
- 10%:72÷10=7.2年
このように、利回り1%なら70年以上、10%なら7~8年となります。
詳しく計算した利益シミュレーションの結果は以下の通りです。
運用年数 / 利回り | 1% | 2% | 3% | 5% | 10% |
---|---|---|---|---|---|
8年 | 41.4万円 | 85.8万円 | 133.3万円 | 238.7万円 | 571.7万円 |
15年 | 80.4万円 | 172.9万円 | 278.9万円 | 539.4万円 | 1588.6万円 |
24年 | 134.8万円 | 304.2万円 | 516.3万円 | 1112.5万円 | 4424.8万円 |
36年 | 215.3万円 | 519.9万円 | 949.1万円 | 2395.9万円 | 1億4956万円 |
70年 | 503.3万円 | 1499.7万円 | 3458.9万円 | 1億4713万円 | 3億9437万円 |
※計算は複利運用を想定して行っています。
「72の法則」で算出される結果は大まかな数字なので、利回り1%はシミュレーションだと70年となっています。
とはいえ、70年以上にもわたって500万円を運用するとは考えられないので、1,000万円を目指すなら少なくとも2~3%の利回りは必要でしょう。
500万円を1,000万円にすることを目標に資産運用をスタートする場合、30年プランなら利回り3%、20年プランなら利回り5%を維持したいところです。
500万円を運用するうえでの注意点
500万円を運用する際に特に注意すべきポイントは、以下の3つです。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
リスクを減らしたいなら分散投資を心がける
せっかく500万円貯めて資産運用を始めるなら、少しでもリスクを減らすために分散投資を心がけてください。
分散投資とは、言葉の通り投資先を複数にわけることです。
金融商品を1つに絞り込むよりもリターンは低くなる傾向にありますが、いずれかの金融商品の価値が下がってもほかの金融商品で埋め合わせがききます。
逆に、分散投資をしていないと投資している金融商品の価値が暴落した時に損失をカバーすることができません。
どの金融商品に分散投資すれば良いかわからない場合は、投資信託を活用するなどしてプロの力を借りることも検討しましょう。
投資信託について、詳しくは「専門家に運用を任せられる投資信託」で解説しているので参考にしてください。
元本保証でもインフレリスクがあることは考慮する
投資先を選ぶ際には、元本保証の有無がリスクの大きさを測る上での重要な判断要素になります。
しかし、実は元本保証があってもリスクが完全に0になるわけではありません。
例えば定期預金で考えてみると、日本の年間目標インフレ率は2%とされています。
つまり、目標通りにインフレが進めば現在100万円で買えるものが10年後には122万円になっている計算です。
一方、定期預金で100万円を10年預けたとしても、年利0.002%では200円しか増えません。
極端な例ですが、元本保証だからというだけで信用すると、インフレが進んだ時に資産価値が減少してしまうリスクがあるのです。
資産価値も含めると、元本保証にこだわったリスクを取らない運用方法は必ずしも安全とは言い切れません。
利回りも含めて比較検討し、多少はリスクを取った投資をした方が良いケースもあることは覚えておくべきです。
運用を委託する場合でもしっかりリサーチする
投資信託などで資産運用の委託を考えている場合は、委託先がどのような運用方針か念入りにリサーチしましょう。
投資信託といっても運用方針はひとつひとつ違います。
国内・海外のどちらのファンドなのか、指標に沿った運用をするインデックスファンドなのか、指標を上回る成績を目指すアクティブファンドなのか、自分自身の資産運用プランに近いものを選ぶことが大切です。
例えば現在の年齢が30歳で、65歳までの35年間で500万円を2,000万円にしたいと考えているなら、利回りは小さくても安定した成績を出せるファンドが向いています。
逆に資産運用の期間が少ない場合はリスクを多めに取るファンドを選ぶ、といった選択ができます。
投資信託を選ぶ時は収益率のほか、成績を比較できる指数であるベンチマークを確認したり、類似するファンドとの比較も積極的に行ってください。
まとめ
500万円の運用資金が用意できれば、長期的な運用によって1,000万円や2,000万円を超える資産を築ける可能性が十分にあります。
ですが、投資先選びを慎重に行わないと低金利で一向に資金が増えないといった事態に陥ってしまうため、できるだけ利回り5%以上での運用をおすすめします。
また、目標金額と運用期間によっては複利と積立を組み合わせて計画を立てることも大切です。
将来的にヘッジファンドを使うなど、工夫次第で500万円は大きく増やせるので、ライフプランに合った運用をしていきましょう。
選択肢が多くて迷ってしまう方は、まずはヘッジファンドの情報収集から始めてみるのがおすすめですよ。
この度投資初心者が、1000万円クラスのまとまったお金を運用する前に絶対に押さえておきたいポイントを外部の先生のお力も借り1記事にギュッとまとめました!
- これからまとまった元本で投資を始めたい方
- 手元の資産の運用法で迷っている初心者の方
投資額の大小に関わらず、役に立つこと間違いなしの記事ですので是非皆様の資産運用の勉強にご活用下さい!